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代表コラム | 横浜の株式会社S・O・A(認定支援機関)は中小企業の経理業務代行と資金繰り改善、銀行借入を支援します

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代表コラム

2021年03月22日 [銀行融資]

銀行借入とメインバンク〜コロナ禍の金融支援で思うこと〜

「メインバンクとは何か」というテーマで金融関係誌等が盛り上がった時期がありました。
色々な切り口での考え方ができ、これがそうだ!と一言で言い切るには難しいテーマですが、以下のような見解が一般的であったと思います。
・銀行借入残高が一番多い
・銀行預金残高が一番多い
・取引歴が最も長い
・役員や経理部長クラスに取引銀行の出身者がいる
・給料振込を持ち込んでいる
・外国為替取引等の持込量が一番多い
・いざという時に助けてくれる銀行

コロナ禍等で資金繰りに窮しつつも、会社のため、社員のため、産業のため、地域のためになんとかして会社を存続させようと、多くの中小企業が取引銀行に返済猶予や金利引下げ等の金融支援の要請を行っています。
そのような窮境状態にある中小企業の社長様を前に、銀行がメインバンクの譲り合い、ただ時間だけが経過するという残念なケースを少なからず目にします。
「その件はまずメインバンクさんに相談してください。」
「貴行は当社のメインバンクでしょう。借入残高も一番多いし・・・。」
「それはたまたまです。当行は前回の融資を〇〇銀行が貴社のメインバンクという前提で実行したのですから。」
「・・・・・」
勿論全てのケースでこのようなことが起きている訳ではありません。むしろメインバンクの理解と率先した支援により難局を乗り越えようとしている企業の方が多いことでしょう。ただ、残念ながら、このようなケースも少なからずあるのです。

では何故このようなことが起きてしまうのでしょうか。
私の個人的な見解は”メインバンクとはいざという時の「駆込寺」だ”という意識が融資をする銀行、融資を受ける企業の両側で希薄になってしまった結果ではないかと考えています。
融資した資金は回収するのが銀行の融資業務のイロハのイであることに間違いはありません。一方、メインバンクである以上、融資先が窮境状態に陥った際には、その原因や解決策を親身に相談に乗る、これがメインバンクの責務の筈です。銀行にとってメインバンクになるとはそれだけの覚悟がいるとも言えます。
上述のとおり、メインバンクの明確かつ統一された定義はないと思います。ただ、「銀行借入が一番多い」ことは、メインバンクであることの客観的な必要条件の一つに間違いありません。

銀行は、カネ余りで融資先探しに奔走した時期に、企業経営上必要のない資金を金利ダンピングでセールスしていなかったでしょうか。もし、その融資が実行された際には自行の融資残高がトップになる、つまり他の銀行からメインバンクであると見られることまで考慮してセールスしたのでしょうか。

融資を受ける企業側も、自社がメインバンクと考える銀行とのコミュニケーションをしっかりと取ってきたでしょうか。絶対にとまでは申し上げませんが、メインバンクと考える銀行よりも借入残高の多い取引銀行を作ることはお勧めできません。
税理士さんの中には「金利相見積り」を取って銀行を競わせることを助言する方もいるようです。でもこれだけは止めた方がいいと思います。「金利合見積り」は、勿論、それにより支払利息が減れば企業の損益上プラスになります。さらには自社が優良企業であるとの自信や銀行取引上の優越性を感じることがあるかも知れません。ただ、銀行は一般的に、金利合見積りを繰り返す企業とは次第に距離を置くようになります。

銀行は、営利企業として、融資した資金を約定利息と共に回収することを大前提にする一方で、融資先の経営を守るという矛盾しかねない社会的使命も負っています。ですから一般の企業とは異なる独特とも言える考え方をします。それがメインバンクの譲り合いという事態の要因の一つになって現れているのではないでしょうか。基本的に融資先が窮境状態に陥り金融支援の要請を受けた場合に最初に発するのは「それはメインバンクにやらせろ!」「メインバンクが応じてからだ!」ですから。

銀行融資を検討する際、どの銀行からいくらという目途は持っておいた方がよいでしょう。銀行もその辺りの融資先の考え方を冷静に、かつ銀行独特の考え方で見ています。
銀行で融資業務を経験した人などから銀行員ならではの発想や考え方を聞いて知っておくことは、無駄にはならないのではないか、最近のコロナ禍での金融支援の現場に携わって改めて思いました。

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